ステントのタイプを検討
ステント留置術によって、バルーン治療に比べると、
血管の治療した部分が再びふさがることを起こす患者が減りました。
でもまた、20%〜30%の患者さんではみられます。
そこで、再びふさがることを防ぐために開発されたのが、薬剤を塗りこんだ
タイプの「薬剤溶出性ステント」DESです。
日本では、サイファーステントとタキサスステントの2つが健康保険の適用
になっています。
サイファーステント
サイファーステントには、免疫抑制薬のシロリムスが塗ってあり、
ステント部分での細胞の増殖を抑え血管の内膜が厚くなるのを
防いで、再びふさがるのを予防します。
これによって再発率は10%以下に低下しました。
タキサスステント
タキサスステントは、パクリタキセルという少量の抗がん薬を塗り込めた
もので同様の効果があります。
薬剤溶出性ステントには、まれな合併症として従来型のステントでは
みられなかった治療後1〜2ヶ月以降に現れる遅発性といって、
血栓症がみられます。
こうした血栓症がおこる割合は、日本では0.25%という報告があり、
決して高くはありませんが、一度おこると命にかかわります。
ステントにより血栓症の予防のために、ステントタイプにかかわらず、
ステント留置後は抗血症板薬のチクロピジン塩酸塩
(商品名パナルジンなど)や硫酸クロピドグレル(商品名プラビックス)を
長期服用することになっています。
従来のステントでは、再びふさがる可能性は高くなります。
ですが、血栓症のおそれがあるのは、当初2か月間程度なので
その間はチクロピジン塩酸塩や硝酸クロピドグレルを飲みますが
それ以降は飲むのをやめることができます。
そのため、その後にほかの病気に対する手術が必要な場合などは、
従来型のステントが使用されます。
このようにステントはそれぞれのタイプで、メリットorデメリットがあるので
狭心症に対してカテーテル治療を行う場合は、医師とよく相談し
決めることが大切です。
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