安定狭心症 治療

安定狭心症の治療内容

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安定定狭心症の治療の行い方

安定狭心症は、心筋梗塞をおこす危険性が低いタイプの狭心症です。

 

ですが、心筋梗塞をおこしやすい不安定狭心症へいつ移行するか
油断はできないので、いくつかの検査をします。

 

その中で、カテーテル治療(冠動脈インターベンション・PCI)が必要か
どうかを判断し、必要であれば、休暇がとれるときなどに、
患者さんの都合のよい時期を選んで実施することになります。

 

また、軽い狭心症であれば、カテーテル治療を行わずに薬物療法だけで
しばらく様子をみる場合もあります。

問診と検査をします。

問診および検査で、狭心症なのかどうか、どのタイプの狭心症なのか?
時間をかけて、症状や、どのような危険因子をもっているか
などについて問診しながら、どのタイプにあたるのか見当をつけます。

 

心筋梗塞と違って、実際に発作がおこっている状態での受診はまれなため
患者さん自身がきちんと医師に情報を伝えることが重要です。

 

質問項目(例

 

@痛む場所はどこですか?

 

Aどのくらいの頻度でおこっていますか?

 

Bどういうときに痛みがでますか?
(動いているとき、安静にしているとき、朝、 など)

 

Cどのような感じの痛みですか?
(ズキズキする痛み、締め付けられるような痛み、重苦しい痛み、
痛みはあまりないが、なんとなく不快感がある など)

 

D痛みの持続時間はどのくらいですか?

 

E高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満はありますか?

 

Fタバコを吸いますか?お酒を飲みますか?

 

G血縁者で心臓病にかかった人はいますか?

 

こういった内容の質問をされるので、事前に準備しておきます。
自宅で、メモ帳などに、思いついたらすぐ書き留めておくのです。

 

そうすると、病院でいざ問診を渡されたときでも、
診察中に医師に、質問されても、

 

あれも言わなきゃ、これも言わなきゃと
あせっているうちに、症状を言い忘れることもなく
思いのたけを全部伝えきることができて、スッキリします。

 

そして、問診の結果、1〜2か月以上前から症状が変化していないと
認められ、比較的安全な安定狭心症と診断されれば、
治療方針を決めるために必要な検査を行います。

 

運動負荷心電図をとって、どの程度の動きで症状が出るか
という検査をします。

 

そのほか、
負荷心筋シンチグラムやマルチスライスCT(コンピュータ断層撮影)で
冠動脈の狭くなっている程度や位置を詳しくみることもあります。

 

狭心症の症状が現れにくいときには、ホルター心電図をとる場合も。

 

運動負荷心電図、ホルター心電図、負荷心筋シンチグラム、CTの
詳細については、こちらをご覧ください。
心臓の状態を見極める検査とは

 

最終的に診断を確定するためには、カテーテル検査が必要です。

薬物療法を開始

検査が終わって、症状や冠動脈の状態が深刻ではなく
日常生活に支障のないことがわかれば、β遮断薬などの服用で
ようすをみることになります。

 

また、症状が比較的重い、冠動脈が強度に狭くなっているとか、
その位置に問題がある、あるいは危険因子がいくつかある
などの患者さんではカテーテル治療を考慮します。

 

3本のおもな冠動脈がすべて狭まっている(3枝病変)、左主幹部に病変
がある、糖尿病などで動脈硬化が冠動脈全体に広がっている、
腎臓機能が低下しているような患者さんには、外科的に
冠動脈バイパス術を検討する必要が出てきます。

 

安定狭心症の場合、診断からカテーテル治療を実施するまでの間は
血液が固まるのを抑える抗血小板薬のアスピリンや、
狭心症の発作の予防に有効なβ遮断薬、
血管を広げるカルシウム拮抗薬や持続性硝酸薬を併用します。

 

さらに患者さんの状態によって、脂質異常症の治療薬や抗不整脈薬
などを追加で服用します。

 

狭心症の発作を予防する薬の種類や使い方は心筋梗塞の治療の
ステップと同じです。

 

さらに、狭心症の発作が突然起こったときに、発作を抑える
即効性硝酸薬(そっこうせいしょうさんやく)のニトログリセリンや
硝酸イソソルビドを常時携帯して、舌の下に入れるか、口の中に
スプレーして使用します。

 

ニトログリセリンの詳細については、
ニトログリセリンの使い方を覚えるをご覧ください。

 

薬物療法の選択基準

 

*詰まっても比較的影響の出ないところがせまくなっている
(冠動脈の枝の部分、左回旋枝か右冠動脈のどちらか1枝)

 

*血管の内腔がある程度保たれている

 

*症状が軽い など

カテーテル治療を行います

カテーテル治療が必要な患者さんには、都合のよい時期を
事前に検討し、実施します。

 

その後は、今まで続けていた薬剤に加えて、チクロピジン塩酸塩を飲みます。

 

カテーテル治療を受けるまでの間に次のことに注意してもらいます。

 

薬剤をきちんと飲んで、今までどおりの生活を送っていたのに
症状が頻繁に出るようになった、

 

今までは動いていたときだけだったが、
安静にしているときにもおこるようになった

 

など、症状の出方や、回数などが変わってきたら
早急に受診して担当の医師の診察を受けることが大切です。

 

すぐに処置が必要な不安定狭心症に変わった可能性もあるからです。

 

なお、カテーテル治療ができない場合は、冠動脈バイパス術を行う
こともあります。

 

冠動脈バイパス術の詳細については、
狭心症に関わる冠動脈をご覧ください。

 

冠動脈バイパス術の選択基準

 

*主要な3本の冠動脈が同時に狭くなっている

 

*冠動脈の左主幹部が狭くなっている

 

*糖尿病などが進行している

 

*腎臓の機能が低下している など

 

カテーテル治療の選択基準

 

薬物療法の選択基準と冠動脈バイパス術の選択基準 以外の場合

退院後、外来で診察。

狭心症のなかでも安定狭心症の場合は、心筋へのダメージが
比較的軽度です。

 

そのため、入院も短期間ですみますし、
冠動脈バイパス術を受けた場合を除いて、心臓リハビリテーションも
必要ありません。

 

退院後は、月に1回くらい外来で、留置したステントの状態などを
チェックしますが、半年後ぐらいしたら、かかりつけ医のもとに移って
定期的に診察を続けていきます。

 

発作を予防する薬剤は基本的にずっと飲み続けることになりますが、
チクロピジン塩酸塩は2か月ほど服用したのち、
中止できる場合もあります。

 

万が一の発作に備えて、ニトログリセリンを常備することは継続します。

 

そのほか、定期的に運動をし、食事に気を付ける、
ストレスをためないなどの生活習慣の改善を行います。

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