不安定狭心症 (ふあんてい きょうしんしょう)とは
不安定狭心症とは、労作時狭心症の一種で、
胸の痛みなどの発作が突発的、もしくは不定期に睡眠時や安静時にも起こり
胸の痛みの強さもバラバラに変化する、規則性がない狭心症のこと。
急性心筋梗塞に移行する可能性が高い狭心症
不安定狭心症は、
冠動脈の内側にできた粥腫(じゅくしゅ)の表面が
破れやすくなっていたり、すでに部分的に破れている状態。
なので、
粥腫が破れて中身が血液や血小板に触れることで、
血栓(けっせん:血のかたまり)ができやすい状態になります。
そして、
血管の内側がどんどん狭くなって血栓が冠動脈をふさいでしまい、
血が流れなくなって心筋梗塞になってしまう危険性があるため
入院による厳重な治療が必要になります。
※不安定狭心症の状態になった場合、
症状がいつ・どの程度で・どのくらい長く起こるか、
さらに症状が軽快するのかどうかもはっきりとは予想ができません。
なので不安定狭心症の治療と言うよりは、心筋梗塞に進行しているため、
時間との勝負になります。
発症から6時間以内に適切な救急医療が行なわれるか否かで、
患者の生存率が変わってきますから、ことは重篤な事態ということです。
治療について
不安定狭心症の治療は、
酸素、アスピリン、ニトロ系薬物、モルヒネを使い、
急性大動脈解離との鑑別を含めて、心電図・採血・心臓超音波検査
・CT検査の後に診断がほぼ確定されれば、
血栓溶解療法を適応があれば施行し、治療を含めて
心臓カテーテル検査・インターベンション治療に移ります。
血栓溶解剤を静脈注射して
血管を塞いでいる血栓を溶かすか、経皮的冠動脈再建術といって
血管にカテーテルと言われる細い管を入れて、
閉塞している箇所を風船をふくらませて開く処置が行なわれます。
重篤な症状を現れた場合、即心筋梗塞に進展するもので、
小康状態になったとしても安心は出来ず、再発する危険性が高く、
再び血栓症が生じる場合があります。
さらに追加手術として、
血管のバイパス手術などの緊急外科手術が行なわれることも
よくあるので覚悟しておいてください。
不安定狭心症の治療は、緊急性を必要としますが、
それより何より軽い症状が出ている場合は、
とにかく早めに精密検査を受けられるようにお勧めします。
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